Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第1章 僕達のちょっとした悩み
翔side
クタンと倒れ込んでくる智を受け止め、そのまま抱き上げて湯船に浸かる。
熱めの風呂が好きな俺には、若干温く感じるけど、すぐに逆上せてしまう智のことを考えたら、これも仕方ない。
そう、俺はいつまで経っても智には甘いんだ。
「眠い?」
「ん…、ちょっとだけ…」
膝の上に座らせた智の髪を掻き上げてやると、今にも閉じてしまいそうな瞼を擦り、俺の肩口に顔を埋めた。
つか、そんな密着したら…俺我慢出来なくなっちゃうかも。
現に今だって、
「翔くん…、当ってる…」
なんて、智に言われる始末だ。
「しょ、しょうがないだろ、生理現象なんだから…」
「ふふ、翔くんのエッチ」
ああ、そうですよ。
どうせ俺はエッチでスケベですよ。
でもな、
「こんなんなるの、智だけだから…」
智意外に、こんなにはなんないし…
「でも翔くん、女の子とデートしてたんでしょ?」
そっか、まだ誤解したままか…
「それは…、取り敢えず上がるぞ? 話はそれからだ」
俺の肩に乗せた智の顔は、もう逆上せる寸前らしく、茹で蛸みたく赤い。
流石にこんな所でぶっ倒れられても困るし、このまま寝られてしまっては、尚のことだ。
智を何とか立たせ、バスルームから出ると、用意してあったバスタオルで軽く水気を取り、揃いのバスローブを着せ付けてから脱衣所を出た。
「あ、ココア…」
智の手を引いて寝室へ向かう途中、こたつの上に放置されたままのカップを見て、智が恨めしそうな声を上げたが、それには構わず俺は寝室へと智を引っ張った。
つか、覚えてたのか…