Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第14章 僕達の勘違いな日常
ひたすら首を傾げる俺の前に、女性のしなやか…じゃない無骨な手が差し出された。
「あ、あの…、何か…?」
クールビューティーって例えたらいいんだろうか…、笑った顔が…怖い…
しかも、俺よりデカイ…
でもこの顔、どこかで見たような…
「お菓子、下さらないと悪戯しますわよ?」
それにこの声…、聞き覚えがあるようなないような…
「ああっ! まさか…昌宏…さん?」
メイクと、肩まで伸びた髪のせいでパッと見女性に見えるけど、よくよく見ると、顔の骨格は松岡さんその物で…
「それが何か?」
眼鏡の奥で細められる目は、どこをどう見ても松岡さんだ。
「えっ…、っていうか何でこんな恰好を…?」
「何で…、でございますか? それはてめぇの息子に聞きやがれ」
ひぇ~、どすの聞いた声で言われて縮み上がる俺の前に、
「やったね、大成功♪」
満足そうに満面の笑みを浮かべた、美少女ゲームキャラのコスプレをした和が、松岡さんの背後からひょっこり顔を出した。
更にその後ろには、腹を抱えて笑い転げる、ドラキュラ伯爵姿の潤まで…
「お前ら…、松岡さんになんてことを…」
と、言いながらも、心の中で爆笑してしまう俺。
「だってさ、松岡さんたら、絶対コスプレしないって言うからさ…」
「だからってこの格好は…」
超ウケるんだけど(笑)