Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第14章 僕達の勘違いな日常
松岡さんのマンションに着いた俺は、インターホンを鳴らすことなくエントランスを抜け、エレベーターに乗り込んだ。
正式に付き合うことになってからすぐ、合鍵は松岡さんから預かっているから、出入りは自由ってわけだ。
勿論、俺の家の鍵も渡してあるけど。
「お待たせ、遅くなっちゃって…」
玄関から真っ直ぐに伸びた廊下を抜け、リビングのドアを開けると、もうすっかり出来上がっているのか、スーパーウーマン姿のサトくんのしっかり座った目が俺を睨み付け…
「パパさん遅い! 僕ずーっとケーキ待ってたのに…もうお腹いっぱいで食べられないじゃんかぁ…」
言いたいことを言ったら、今度はポロポロと泣きだし…
っていうか、サトくん泣き上戸だったのね(笑)
「ああ、ごめんごめん。売り上げの計算とかしてたら、つい遅くなっちゃってさ…。あ、でもケーキなら、持って帰ればいいから。ね?」
「すいません、パパさん…。うっかり飲ませ過ぎちゃって…」
これまたスーパーマン姿の翔くんが、サトくんの背中を撫でながら、心底困った顔で俺を見た。
「ところで松岡さんは? 和と潤の姿も見えないけど…」
買い物でも行ってるんだろうか…
「ああ、三人なら…」
翔くんが困り顔から一転、ニヤリと笑って寝室を指差した。