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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第14章 僕達の勘違いな日常


従業員も皆帰り、無人のロッカールームに入ると、潤から渡されていた紙袋を取り出した。

なんでもパーティに参加するには、コスプレが必須らしく、潤が用意しておいてくれた物…なんだけどなぁ…

「これを俺が…? 嘘でしょ…」

紙袋から出て来たのは、なんとも可愛らしい赤ずきんちゃんの衣装で…

流石の俺も抵抗を感じずにはいられない。

でも参加にはコスプレは必要条件だし、何よりここ最近準備に忙しくて、松岡さんにも会えてなかったから、久しぶりに会いたいし…

「はあ…、仕方ないか…」

俺は盛大な溜息を一つ吐き出すと、甘い匂いの染み込んだコックコートを脱ぎ、潤が用意してくれた赤ずきんちゃん衣装に着替えた。

…が、思いのほかスカートの丈が短くて、足元がスースーして、なんだか落ち着かない。

あーあ、こんなことならムダ毛の処理でもしとくんだったな…

なんてどうでも良いことを考えてしまう。

っていうかさ、こんな格好…松岡さんはどう思うんだろう…

「いい歳してなんて格好してんだ…」

って、呆れられちゃわないかな…

はぁ…、スカートが風に煽られて捲れ上がるよりも、松岡さんの反応の方が不安だ…

俺は内心、ドヨーンとした気持ちを抱えたまま、赤ずきんちゃん衣装の上にロングコートを羽織り、コソコソと店を出た。

これじゃ完全に変質者だよな…
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