Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第14章 僕達の勘違いな日常
よいこらしょ、とばかりに翔くんが押し入れから大きな箱を引き摺り出し、母ちゃんが蓋を開けた。
一体何が入ってるんだろう…
見に行きたいけど…やっぱ今はムリッ!
「あったあった、コレコレ♪ はい、どうぞ」
母ちゃんが箱の中から取り出した袋を、翔くんに手渡す。
「俺に…ですか?」
「開けてみて?」
「は、はあ…」
一瞬、翔くんが救いを求めるように僕を見た。
でもね、
「開けて開けて?」
僕だって気になるんだもん。
「わ、分かった…」
翔くんが袋の口をピラッと開いて中身を取り出す。
「え、ちょっとこれって…」
出てきたのは全身タイツのスーパーマンの衣装で…
翔くんはそれを持ったまま石のように固まっている。
「父ちゃんがね、会社の余興で使った物なんだけどね、もう使わないから翔くんにあげるわ」
「い、いや、俺は…」
「いいからいいから、遠慮しないで? あ、スーパーウーマンもいることだし、翔くんも着てみたら? 智だって見たいわよね、翔くんのスーパーマン姿」
母ちゃんがニコニコ笑顔で僕を見る。
ってゆうか、僕の答えなんて分かってるくせに(笑)
「見た~い! 翔くん、着て見せて?」
「いや、だから俺は…」
「ほらほら、智もそう言ってることだし、ね?」
スーパーマンの衣装を手に、オロオロする翔くんを和室に残し、母ちゃんが襖をピシャンと閉めた。