Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第14章 僕達の勘違いな日常
俺は智の腰の上に跨ると、セットになっていた青いパンツを片足に通した。
その時、玄関のドアが閉まる音がして…
「智? 来てるの?」
聞き覚えのある声が聞こえた瞬間、
「ヤバイ…!」
俺達は青ざめた顔を見合わせた。
別にエッチしてるわけじゃないけど、この状況は非常にマズイ。
俺は大急ぎで智に青いパンツを履かせると、オロオロする智にパンツと同じ色のシャツを手渡した。
「えっ、えぇっ…」
「いいから、つべこべ言ってねぇで、さっさと着ろって…」
スーパーウーマンだろうがなんだろうが、素っ裸でいるよりはずっとマシだ。
「う、う、う、うん…」
「あ、ほらスカートも履いて…」
「うん…」
どんどん近づいてくる足音に、心臓がバクバクする。
そして、リビングのドアが開いた瞬間…
「あら、翔くんも来てたの?」
「は、はい…」
俺と智は、二人同時にこたつに足を突っ込んだ。
「か、母ちゃんお帰り…」
二人して超不自然な笑顔を浮かべながら。
「あら、ちょっと智、あんた…」
「な、な、な、なぁに…?」
一瞬、隣りに座る智から、ゴクリと息をのむ音が聞こえたような気がして、俺はこたつの中で智の手をキュッと握った。