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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第14章 僕達の勘違いな日常


長居は無用、さっさとケーキ買って家に帰ろう…

そう思って席を立ちかけた俺の前に、ベシッとばかりにヨレヨレの紙が置かれる。

手に取って良く見ると、そこにはインクの滲んだような…ふにゃふにゃした物が書かれていて…

「これ何…?」

「何って…、ちょっと翔ちゃん巫山戯てんの?」

いやいや、巫山戯てんのはソッチだろ…、と言いたいけど、やめておこう。

これじゃ火に油を注ぐ結果になりかねないからな…

「智が置いてったんだよ…」

見兼ねた潤が、漸く助け舟を出してくれて
俺は再び手の中の紙に目を凝らした。

「あ…、ホントだ…」

でも肝心な、何を書いてあるのかが、インクが滲み過ぎてるせいで分からない。

「なあ…、なんて書いてあった?」

怒られるのを承知で聞いてみる。

するとニノが鼻をズッと啜り、

「智、実家に帰るって…」

涙声でそう言った。

「は? ちょっと待て。何でそうなる?」

たかだか留守番させたくらいで実家って…、意味わかんねぇ。

「翔ちゃん、浮気してるでしょ? 俺見ちゃったんだから…」

「はあ? 俺が? んなわけないだろうが…」

「だって今日、新しく出来たショッピングセンターで、女の人と仲良く歩いてたじゃん…」

嘘…だろ?
見られてた、ってこと?

「いやでも、アレは浮気とは違うぞ。会社の同僚だし…」

なんなら彼女には旦那も子供もいる。

浮気なんてありえない。

「えっ、そう…なの…? 俺てっきり…」

マジかよ…

俺は勢い良く立ち上がると、店を飛び出した。
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