Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第14章 僕達の勘違いな日常
翔side
「お疲れ様でした」
同行してくれた女性社員に礼を言って車に乗り込んだ俺は、ポケットの中でひっきりなしに震えていたスマホを開いた。
「ゲッ、なんだコレ…」
驚いたことに、潤とニノからの電話やらLINEやらが、五分刻みで入っていて、その数はゆうに100を超えている。
しかも、特に要件が書かれているわけでもなく、ただ「どこにいる」とか「連絡くれ」とか…そんな内容の物ばかりで…
ここまでしつこく連絡して来るってことは、何か…それこそ不測の事態が起こってる、ってことだよな?
こと潤に関しては、カフェの営業時間内だし…
急ぎの用事、なのか?
でもなぁ…、智のことも気になってんだよな。
だって、出掛けに見たあの顔…、ぜってぇ拗ねてたし…
二人からの電話も気になるけど、ここはやっぱり智が優先だな。
ここんとこあんまかまってやってないし、きっと寂しがってる筈だからさ。
そうだ留守番のご褒美に、アイツの好きなスイーツでも買っていってやるか。
あ、どうせならパパさんの店で買えばいいか…
そうしたらわざわざ二人に電話をする必要もなくなる。
うん、我ながらナイスなアイディアだぜ
俺はスマホを助手席に置くと、車をパパさんの店に向かって走らせた。