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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第14章 僕達の勘違いな日常


「あれ? 智は?」

客足も漸く落ち着き始めた頃、パパさんの手伝いに駆り出されていたニノが、満席状態の店内を見回した。

「そう言えば…」

忙しさのあまり、智の存在をスッカリ忘れてた…とはとても言えず…

「帰ったんじゃないの? ほら、何だかんだ言って智も翔さんのことは信じてるだろうしさ…」

適当な言い訳で誤魔化した。

「えっ、でもじゃあコレは?」

「何が?」

カウンター越しに、ニノが微かに水に濡れてヨレヨレになった紙ナフキンをヒラヒラとさせた。

「“実家に帰らせて貰います”って書いてあるけど…。コレ、智の時だよね?」

どれどれ…?

「あ、ホントだ…、智の字だ…」

水に濡れたせいで滲んではいるけど、そこには可愛らしい顔に似合わず、男らしく達筆な文字がか書かれていて、それは確かに智の字に間違いなかった。

「つか、今時“実家に帰らせて貰います”って…、古くなね?」

時代錯誤もいいとこだ(笑)

「え、そういう問題? 潤は智が心配じゃないの?」

「いやいや、そうじゃなくてさ…。そりゃ俺だって心配だよ? でも実家に帰ったんなら、一先ずは安心なんじゃない?」

ヤバいヤバい、智のせいで、俺が和にあらぬ誤解をされるところだった…

大体、親友の心配をしない親友がどこにいるんだ、って話しよ…
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