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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第1章 僕達のちょっとした悩み


智said


翔くんが胡座をかいた膝をトントンとする。

僕に“おいで”って言ってるんだろうけど、その顔が凄く怒ってるみたいに見えて…

いつもなら喜んで抱っこして貰うのに、今はちょっとだけ怖い…

「智? ほら、おいで?」

声は優しいのに…

「怒らない?」

「何で? 俺が何で智を怒んなきゃなんないの? それとも智、何か俺を怒らせるようなことしたの?」

うーん…、全く無いとは言えないけど、取り敢えずは…

「ないと…思う」

「だろ? だったらそんな顔すんなって、な?」

「…うん」

僕は椅子を降りて、翔くんの膝の上に移動した。

そしたら翔くん、

「よし、いい子」

って…

もぉ…、翔くんたらいっつもそうやって僕を子供扱いするんだから…

でも、今はそんな翔くんの優しさが、ちょっとだけ嬉しくて、僕は翔くんの撫でた肩口に顔を埋めた。

なのに、

「おい、そんなにくっついたら消毒出来ないでしょ?」

消毒…?

「えっ、ここでお医者さんごっこでもすんの?」

僕がお医者さん嫌いなの、翔くん知ってるくせに…

「あのなぁ…って、まあ当たらずとも遠からずか…」

翔くんが盛大な溜息を一つ落として、僕の肩を掴んで少しだけ身体を離すと、僕の胸の先を指で摘まんだ。

「ここも触られた?」

「あんっ…、そこは…、触られてない…もん…」

多分…だけど…。
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