Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第14章 僕達の勘違いな日常
智から送られてきた写メを頼りに、混雑した店内を歩き回る。
でも智の姿はどこにもなくて…
普段座りっぱなしの足は棒みたくなるし、人の多さには酔っ払うし…
「どうすっかな…」
いい加減途方に暮れかけた俺の目に飛び込んできたのは、”サービスカウンター”の文字。
そっか、サービスカウンターがあるじゃん♪
迷子のアナウンスでもして貰えば、流石に智だって…
最後の手段、とばかりに俺の足はサービスカウンターへ向かった。
でもその時、
「あれ…? さと…し…?」
サービスカウンターの向こうに、どこかを呆然と見つめたまま立ち尽くす、智の横顔が視界に入った。
「おい、智?」
丸まった背中に声をかけながら駆け寄るけど、智からの反応はない。
「ねぇ、散々探したんだよ? 一体今までどこ…に…、って、えっ…?」
掴んだ肩を揺すりながら覗き込んだ顔は、涙でグシャグシャになってて…
「なっ、なんで? なんで智泣いてんの? あ、もしかして俺が遅くなったから? だったらごめん。中々駐車場空かなくってさ…」
って、なんで俺が謝ってんだろ…
「あ、そうだ! クレープ食べに行く? ほら、智車ん中で言ってたじゃん? ね?」
俺は、地蔵のように固まった智の腕を引いた。
でも智はピクリともうごかなくて…
「翔くん…、お仕事だって言ったのに…」
「えっ…?」
言われて俺は、智の視線の先に目を向けた。