Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第14章 僕達の勘違いな日常
和のおっそろし〜い運転に揺られること一時間。
最近オープンしたばかりのショッピングモールに着いた僕達は、早速駐車場待ちの渋滞に巻き込まれ…
「あ〜あ、こんなことなら近場で済ませれば良かったね?」
「はあ? 智が来たいって言ったんでしょ?」
あれ?
そうだったっけ?←もうすっかり忘れてる(笑)
「もし退屈なら、智先に入ってなよ。俺車停めてから行くからさ」
あっ!
さては和の奴、僕をこんな見知らぬ土地に置き去りにして、逃げるつもりだな?
「いいよ。だって僕一人で行ったら、確実に迷子になるもん」
自慢じゃないけど自信あるんだから。
「確かにな(笑)」
ノロノロと車を進めながら、隣で和がケタケタ笑う。
ってゆーか、笑うことないじゃんね?
でもなぁ…、このままだと僕、絶対寝ちゃいそうな気がするんだよね…。
多分、迷子の次に自信あるもん。
「やっぱり僕先行ってていい?」
「うん、いいよ。つか、眠たいんでしょ、智。手、ポカポカだよ?」
しまった!
ついいつもの癖で、和の手握っちゃってた。
「ち、違うよ…」
僕は慌てて否定すると、車がピタリと止まったのを見計らって、シートベルトを外した。
「あ、智! 何でもいいから、目印になるもんあったら写メ送って? 俺、そこに行くから」
「分かった♪」
僕は和に手を振ると、車を降り、買い物客で賑わう店内へと入って行った。