Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第13章 俺達の新婚生活
パパさんが俺のためにと作ってくれたケーキを、和と二人で突っつく。
甘い物があまり得意ではない二人だからと、甘さは至っで控えめ。
でもパパさん自慢の口溶けの良いホイップと、卵を贅沢に使ったスポンジは、口の中に入れた途端に絶妙なバランスで混ざり合って、思わず
「うんめぇ…」
溜息が出る。
それなのに和ときたら、
「そう? ま、でもグルメの潤が言うんだから、そうなのかもな(笑)」
って…
慣れって怖いね。
きっとガキの頃からパパさんのケーキ食ってるから、舌が麻痺しちまってるんだな。
「あ、和クリーム付いてるぞ?」
「えっ、どこどこ?」
「ほら、ここ…」
俺はテーブルに身を乗り出し手を伸ばすと、和の細い顎に手を掛け、唇の端をペロリと舐めた。
「取れ…た…?」
「取れたよ、ちゃんとね…」
なんてのは嘘。
本当はキスするための口実。
「もう…付いてない…?」
「えっ…?」
僅かに上向いた和の目が、熱を帯びたように揺れる。
くっそー、昔っからそうだ。
俺はこのブラウンの目に弱いんだ。
「ベッド…行く?」
「うん、行く…」
やべぇ…、超絶可愛いぜっ!
「抱っこ…してくれる?」
「してやるよ」
なんたって今日の俺は、超絶機嫌が良いからな♪。