Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第1章 僕達のちょっとした悩み
翔side
怖かった…
死んじゃうかと思った…
そう言って俺の胸の中で泣く智を強く抱きしめる。
俺だってホントは…
「ばか…、俺だって心臓止まるかと思ったんだからな?」
超怖かったさ…
実際、あんな大男、潤やニノがいなかったら、俺一人でやっつけられたかどうか…
「翔くんも…? なんで…?」
「何で…、ってお前…」
マジで分かってないのが、多少は救いか…
つか、
「取り敢えず鼻かめ」
さっきからさ、シャツが智の涙と鼻水とでベトベトして、気持ち悪いったらありゃしない。
俺はこたつの上のティッシュの箱を引き寄せ、一枚抜き取って智の鼻に宛がった。
全く、幾つになっても子供みたいな顔して泣くんだから…
ま、そこが智の可愛いとこでもあるんだけど。
「あのな、お前になんかあったら…って思ったら、俺だって…」
つか、思い出したら急に腹立って来た…
「智、風呂入るぞ」
「えっ…、でもココア…」
この期に及んでココアの心配かよ…
「ココアならまた後で淹れてやるから、取り敢えず風呂入るぞ」
アイツが触れた部分、俺が全部綺麗に洗い流してやる!
俺は智を抱き上げると、ドカドカ足音を鳴らしてバスルームへと運んだ。