Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第1章 僕達のちょっとした悩み
どうしよう…、何から話したらいいのか分かんないや…
翔くんとは保育園の頃から、ずーっと一緒にいるけど、こんなことは初めてかも…
「飲まないのか? 冷めるぞ?」
「えっ…あ、うん…飲むよ…」
翔くんに促されて、マグカップに手を伸ばそうとするけど、その手が笑えるくらいに震えていて…
「あれ…、おかしいな…なんでこんな震えてんだろ、僕の手…」
ジワジワと熱くなる目頭のまま、僕は隣の翔くんに視線を向けた。
そしたら翔くんは手に持ってたマグカップをコタツの上に置いて、両手を広げた。
「おいで?」
僕だけにくれる、抱っこの合図に、僕は迷うことなく、翔くんの胸に飛び込んだ。
「怖かったよ…ぉ…、死んじゃうのかと思った…」
翔くんの胸に顔を埋めて、僕は声を上げて泣いた。
男の子が泣くなんて、ちょっと恥ずかしいけど、翔くんの前ならいいよね?
だって翔くんは僕の”こびと”なんだから…
「ばか…、俺だって心臓止まるかと思ったんだからな?」
「じょぉぐんも…? だんで…?」
「何で…ってお前…。取り敢えず鼻かめ」
翔くんがこたつの上のティッシュの箱を引き寄せて一枚抜き取ると、それを僕の鼻に宛てた。
チンと鼻をかむと、鼻の奥が少しだけツンとした。