Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第12章 僕達の休日の過ごし方
「ホントにホントーに、翔くん…なの?」
「だーからっ…、さっきからそう言ってるだろ?」
僕はボロボロになってしまった翔くん愛用の抱き枕で、煤塗れの顔を拭くと、少しずつ見えて来た見覚えのある白い肌にホッと胸を撫で下ろした。
「ホントに翔くんだぁっ…」
僕くは思わず煤塗れの翔くんに飛びつくと、僕の顔が真っ黒になることも気にせず、真っ黒なほっぺに自分のほっぺを擦り付けた。
「あのね、あのね…、泥棒さんが来たのかと思って、僕、ホンっトーに怖かったんだから…」
変態泥棒さんの正体が翔くんだと分かって安心したせいか、何だか涙が零れちゃう。
「馬鹿だなぁ、智は…。大体、泥棒が来たら、俺がやっつけてるっつーの」
「で、でも…」
翔くんて、小さい頃からヘタレで有名だったじゃん?
だから僕…
「それより智? さっきから気になってんだけど、その手に持ってるのって…もしかして?」
ギクッ!
「あ、あ、あのコレは…その…」
僕は咄嗟に抱き枕を背中に隠した…けど、無駄だよね…
「その…、なに?」
僕をギュッと抱いた翔くんの手が背中に回り、僕の手から抱き枕をヒョイと取りあげた。
どうしよう…僕、怒られちゃうの…かな?