Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第12章 僕達の休日の過ごし方
ドンガラガッシャーン、って凄い音がして、僕はベッドの上に飛び起きた。
もしかして…ドロボーさん?
うわっ、だったらどうしよう…
あっ、でも翔くんがいるから大丈夫か…って、翔くんたらあれで案外ヘタレだから、僕のことなんてほっぽって我先に逃げちゃうかも…
だってしっかり名前まで書いてあるのに、僕のプリン食べちゃうくらいだもん。←まだ根に持ってる僕(笑)
それにもし超凶悪犯だったら…
どうしよう、翔くんが殺されちゃう!
「大変! 翔くんっ!」
僕は勢い良くベッドから飛び降りると、勢い良く寝室のドアを開けた。
手には、役に立つのか立たないのか分からないけど、翔くんお気に入りの抱き枕を構えて…
多分、普段のおっとりした僕からは想像も出来ない、勇ましい姿…だと思う。
僕は開け放ったドアから顔だけひょっこり出すと、リビングの中をグルッと見回した。
でも、
「あ…れ…?」
誰もいない、なんて筈ないのに…
僕はそれまで武器にしていた翔くん愛用の抱き枕を、今度は盾にしてリビングを抜けると、主夫の城とも言うべきキッチンを覗き込んだ。
その時、僕の目の前を黒い煙がモクモクと…
って、えぇっ!
「か、か、か、か、火事!」
僕は翔くん愛用の抱き枕を、思いっきりブンブンと振り回した。