Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第12章 僕達の休日の過ごし方
冷えひえのお素麺を、スタミナ満点ネバネバ薬味と一緒に、ズズズッと啜ると、不思議とパワーが漲って来るような気がして、僕達は気が付けばお素麺六束分を、二人でペロリと平らげていた。
って言っても、殆どが翔くんの胃袋の中に消えていったんだけどね(笑)
だって僕には、大事な大事な食後のスイーツタイムがあるから、程々にしておかないと、スイーツが食べらんなくなっちゃうんだもん。
それは困る。
僕は空になった器をシンクに運んだついでに、冷蔵庫の中を覗いた。
確かここにプリンが…
「あれ…?」
あった筈…なんだけど…なんでないの?
もしかして…
僕に食べた記憶がなければ、犯人は自ずと限定されてくるわけで…
僕は冷蔵庫をバーンと閉めると、呑気に新聞を開く翔くんの前に仁王立ちになった。
「ねぇ、僕のプリン食べたでしょ!」
ちゃんと蓋に「智」って名前まで書いておいたのに…
「あ、ああ、あれなら賞味期限切れそうだったから、片付けといたよ」
やっぱり…
「切れそうだった、ってだけで、別に切れてたわけじゃないでしょ? 僕楽しみにしてたのに…。酷いや、翔くん…」
クスン、とわざとらしく鼻を鳴らして、外したエプロンを翔くんに投げつけた。
「もう翔くんなんて知らないもん…」
僕は捨て台詞を吐くと、一人寝室に引き篭もった。
ふん、スイーツの恨みは怖いんだからね?
思い知ればいいさ…