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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第1章 僕達のちょっとした悩み


智said


一瞬、何が起こったのか分からなかった。

翔君の声がしたと思ったら、僕の上に馬乗りになってた大男が、カエルが潰れたような声を上げてひっくり返ってて…

そしたら次の瞬間には、僕が一番大好きな腕に包まれていて…

そうこしているうちに、お巡りさんやらなんやらが集まって来て、僕は翔君と一緒にパトカーに乗せられて…

子供の頃は、憧れだったパトカーに、まさかこんな形で乗ることになるなんて…思ってもなかったな…。

それから警察署に連れて行かれて、お巡りさんにいっぱい話を聞かれて、病院にも連れて行かれて…

僕、お医者さん嫌いなのにさ…

マンションに着いた頃には、僕はすっかり疲れ果てていた。

「じゃあ、俺ら帰るから。今夜はゆっくり休め、な?」

マンションで僕らの帰りを待っていてくれた潤が、僕の髪を撫でる。

一瞬…だけど、その手を怖いと思ってしまった僕は、友達失格だな。

「風呂、入るよな?」

僕をこたつに座らせて、翔君がキッチンへと入って行く。

そしてガチャガチャと凄い音を響かせながら、何かを始めた。

あーあ、後片付け大変そ…

「ほら、ココア」

まるで石のように固まったまま動けないでいる僕の前に、青いマグカップが置かれて、僕の横に赤いマグカップを手にした翔君が座った。
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