Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第9章 僕達の危険(?)な夜
あっ、僕分かっちゃったかも!
「ねぇ、和さあ…、松兄にパパさん取られたくないんでしょ!」
そうだそうだ、きっとそうだよ。
でも和は、
「ち、違うよ、そんなんじゃないけどさ…」
全力て否定する。
でもそこで引き下がる僕じゃない。
「ふーん、じゃあ何?」
「何って…、理由なんてないけどさ、とにかくイヤなんだよ…」
そう言ったきり、和はそっぽを向いて、残っていたビールを一気に飲み干した。
あれ?
僕、何か悪いこと言った?
ううん、僕間違ってないもん!
「あのさ和? 和は、パパさんが和だけのパパさんじゃなくなるのがイヤなんでしょ? 和が知らないパパさんの顔とかさ、見たくないんでしょ? 違う?」
僕だってさ、母ちゃんが僕の知ってる母ちゃんじゃない顔見た時、すっごくイヤだったもん。
でもさでもさ…
「和はパパさんが幸せそうな顔、見たくないの? パパさんに幸せになって貰いたくないの?」
だって、父ちゃんに抱っこされてる時の母ちゃん、それまで見たことないくらい幸せそうで、とだてもキレーだった。
「パパさんさ、ずっとずーっと和のために頑張って来たんだもん。でもさ、もうそろそろいいんじゃない? パパさんが幸せになってもさ」
「智…」
和が僕を見て、目をパチクリさせる。
あれ?
僕なんか変な事言った?
「智がこんなまともなこと言うなんて…ちょっとビックリしちゃった…」
えっ、そこ?
「ぼ、僕だってちゃんと色々考えてるんだから! もう、馬鹿にしないでよね」
僕は顔をプイッと横に向けると、口を尖らせた。