Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第1章 僕達のちょっとした悩み
怖いよ…
助けて、翔くん…
ギュッと瞼を閉じて、心の中で何度も叫ぶけど、それは声にはならなくて…
大男の手がベルトにかかった瞬間、全ての時間が止まったような気がした。
「や、やだっ…! やだやだやだっ!」
僕はなけなしの力を振り絞って、僕の手首を掴んだ手を振りほどいた。
こんな所で、しかもこんな変態野郎にヤラれてたまっかよ…。
だったらいっそのこと殺してくれ!
僕は這うようにしてその場を逃れようとした。
でも…
そんな簡単に逃げられるわけないよね…
大男に足首を掴まれ、僕はあえなく大男の下敷きに…
「いい子だ…。大人しくしてろよ、すぐ済ませてやるから…」
いやだ、いやだ、いやだ!
お前なんかに褒められたって、全然嬉しくなんかない!
僕は渾身の力を振り絞って足をバタつかせ、両手を振り回した。
でもそんな僕の抵抗の介なく…
僕のベルトは、大男の手によっていとも簡単に引き抜かれ、ズボンのチャックが下ろされた。
前を開かれ、下着の上から大男の手が僕の中心に触れた。
ごめん、翔君…
こんなことになるなら、僕…
恐怖と、諦めにも似た感情と、翔君への想いとがごちゃ混ぜになって、涙が自然と零れた。
その時だった。
遠くの方で、僕の名前を呼ぶ翔君の声が聞こえた
…ような気がした。