Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第9章 僕達の危険(?)な夜
潤と向き合って湯船に浸かる。
目の前にいるのが翔くんじゃないからかな…ちょっぴり違和感。
しかもさ、予想外に小さいお風呂だから、ちょっと足伸ばしただけで、お互いの足が“こんにちは”しちゃうし…
この状況、翔くんが見たらどう思うんだろう…
ヤキモチとか妬いてくれるのかなあ?
だといいけど…
「どうした? 逆上せた?」
「う、うん、ちょっとだけね。ごめん僕、先上がるね?」
ホントは全然逆上せてなんかないし、折角の(お家よりは)広いお風呂だからゆっくり浸かっていたかったけどね…。
おかしいんだ、僕…
翔くんのこと考えたら、急に後ろめたいって言うか…悪いことしてる気分になっちゃったんだ。
翔くん今何してんのかな…
まだ会社にいるのかな…
少しは僕のこと考えてくれてるのかな…
一人で脱衣所に出てタオルで身体を拭いてる間も、ずーっと翔くんのことばっか考えてて…
気付いたら帯がお腹の辺りで絡まっちゃって…
「あれ…? あれれ…?」
一人脱衣所で悪戦苦闘していると、
「何やってんの、お前…」
お風呂から上がって来た潤が呆れたように言うから、
「解けなくなっちゃったの…」
僕は潤に泣きつくしかなくて…
「ちょっと待ってろ」
言われるまま、絡まった帯を引き摺りながら、今にも脚の折れそうなパイプ椅子にチョコンと座った。
「それにしても翔さんも大変だな」
「何が?」
「ん? お前の面倒見んのも大変だって言ってんの」
「そ、そんなこと…」
言われなくたってちゃーんと自覚してるもん。