Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第9章 僕達の危険(?)な夜
…のも束の間…
薄暗い廊下を抜け、大浴場と書かれた暖簾を潜った僕達は、家庭用のお風呂に毛が生えた程度の、大浴場とは名ばかりの小さなお風呂にチーンとなった。
勿論、僕が楽しみにしてた露天風呂なんて洒落たモンはどこにもない。
「な、なんかさ…、色々期待外れだったみたい…だね?」
「だな…」
着ていた服を脱いで籠に放り込みながら、僕達のテンションはどんどん下がって行く。
特に潤なんて雰囲気だけでかなりのダメージ食らってるようだし…
「わーい、僕一番乗り♪」
僕は無理にはしゃいで見せた。
翔くんがいないのは残念だけど、せっかくの旅行だもん、楽しまなくっちゃ!
僕は勢い良く湯船に飛び込んだ…けど、
「あっつーーーーーぃ!」
想像以上の熱さに、一瞬で飛び出した。
「大体熱い風呂苦手なくせに確認もしないで入るなんて…、それに掛け湯くらいしろよ。後から入る人に失礼だぞ?」
真っ赤になった足に水をかけてくれながら、潤が呆れたように言う。
「だってぇ…」
「だっても糞もない。マナーだ」
もう、潤たら翔くん以上に口煩いんだから…
良く和は付き合ってられるよ。
「どれ…」
潤が手を突っ込んで湯船の温度を確認する。
「よし、これくらいなら大丈夫だろ…。もう入れるぞ?」
「うん、ありがと…」
僕は恐る恐る湯船に足を突っ込んだ。
「丁度いい湯加減だろ?」
「うん♪ バッチリ!」
でも、こういうトコ優しいんだよね、潤て。