Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第9章 僕達の危険(?)な夜
「とりあえずさ、ちょっとゆっくりしない? 僕疲れちゃったよ…」
運転もしずに(だって僕免許持ってないも~)、ただ隣に座ってる…、挙句居眠りまでしてた僕が言う。
でも潤は部屋の入り口に立ったまま、一向に動く気配はなく…
「あ、美味しそうなお饅頭! ほら、早くしないと潤の分まで食べちゃうよ?」
実はお腹ペコペコな僕です。
「お、おぅ…、ちょっと待ってろ」
お饅頭に興味があるのかないのか、持っていたセカンドバッグをガサガサと漁り出す。
つか、今時セカンドバッグって…、あんま見ないわ…
「あった!」
潤が取り出したのは、小さなスプレーみたいな物で、潤はそれを入り口に振り撒き、漸く部屋の中に足を踏み入れた。
「よし、これで一安心だ」
とか何とか言いながら、部屋のあちこちにスプレーをシュッシュと撒き散らした。
「ねぇ、なんなのソレ…」
抗菌剤や消臭剤の類いにしては、匂いもしないし、そもそも“安心”の意味が分からない。
「ん、これか? これは携帯用お清めスプレーだ」
「な、何それ…、そんなんあんの?」
「塩を持ち歩くより、便利でいいだろ?」
そりゃそうだけどさ…
何だか気休め感半端ないんですけど…
まあでも、それで潤が安心出来るならそれでもいいか…
「あ、ご飯の前にお風呂行かない?」
お風呂は旅の楽しみの一つだからね♪
「そうだな、行くか…」
「うん♪ じゃあ僕用意するね?」
露天風呂とかあるといいなぁ。
僕は期待に胸を膨らませた。