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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第9章 僕達の危険(?)な夜


「あの、僕達今日と明日宿泊の予約をしていて…」

潤が全く頼りにならないから、僕が代わりに聞いてみる。

本当は僕だって怖いのに…

「ああ、あんた達かい…。おや、聞いてた人数と違うようだけど?」

砂かけババァ…基い、お婆さんが険しい顔して僕達を見る。

そっか、元々四人で来る筈だったから…

「あ、あの、残りの二人は遅れて来るので…」

翔くんは別として、和はその予定みたいだし。

「ふん、そうかい? じゃあ部屋に案内するから着いておいで」

曲がった腰を叩きながら、お婆さんが玄関から奥に続く廊下へと消えていく。

僕達は慌ててその後を追った。

だってお婆さんたら、腰なんか直角になるくらい曲がってるのに、やたら足は早いんだ。



「ここだよ…」

案内されたのは、二間続きのレトロ感満載の純和風の部屋で、部屋の中を覗いた途端、

「お、おい、この部屋、如何にもって感じしねぇか?」

潤が僕の耳元に小声で呟いた。

言われてみれば確かにそうだけど…

でも、

「悪くないんじゃない? ほら、景色だって…最高、とは言えないけどさ…。ほら、なんて言うの? 風情があるって言うか…」

ああ、もう…

こんな時翔くんがいてくれたら、上手いこと言ってくれたのに。

あ、でも駄目か…

翔くんもあれでけっこうビビりだからな…

「夕食は六時に下の食堂だからね」

それだけを告げると、部屋の入り口で固まる僕達を横目で見ながら、お婆さんはまた腰を叩きながら階段を降りて行った。
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