• テキストサイズ

Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第1章 僕達のちょっとした悩み


ニノとの電話を切ると、カッターシャツの上にパーカーを羽織り、スマホを手に部屋を飛び出した。

ニノの話によれば、智がパパさんの店を出てから、もうかれこれ一時間は経っているらしい。

これはもう、智の身に何かあったに違いない。

不安で焦る気持ちのまま、智が立ち寄りそうな場所を手当り次第に探して回った。

途中ニノと、潤、パパさんも合流した。

皆で手分けして探した方が早いだろう、というパパさんの判断だった。

でも、どれだけ探しても智は見つからず、俺達は一度集まって対策を練ることにした。

集合場所は、マンションからそう遠くない、公園に決めた。

時間はあえて決めず、先に着いた方が連絡をすることにした。

公園に向かう間も、俺はずっと智の電話を鳴らし続けた。

頼む、出てくれ!

そう願いながら…



走り回ったせいか、公園に着いた頃には俺の息も上がっていた。

辺りに目を配りながら、俺は公園の入り口で三人の到着を待った。

きっとそう大して時間は経っていないんだろうけど、向こうから走って来るニノと潤、そしてパパさんの姿を見つけるまでの間は、とてつもなく長い時間に感じた。

「サトくんは? まだ?」

パパさんが肩で息をしながら言った。

「ったく、智の奴どこ行ったんだよ…」

潤も苛立ちを隠せない。

「あ、ねぇ、アレ何? 何か点滅してない?」

ニノの声に、俺達は揃ってブランコの方に視線を向けた。
/ 628ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp