Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第7章 僕達の甘~い夜
口の中でシットリとしたスポンジと、フワッフワのホイップが溶けていく。
「美味いだろ?」
「うん、おいひぃ!」
ホワ~ッとした甘さに、口の中だけじゃなくて、心まで幸せな気分になってくる。
「ねぇ、もっと食べて?」
僕はもう一本用意してあったフォークを手に取ると、それでまたケーキを掬った。
でも翔くんの口に届く寸前の所で、肝心な苺がポロリと転げ落ちてしまう。
「あっ、苺ちゃんが…」
苺はコロコロと転がってテーブルの向こう側で止まる。
僕はフォークを一旦お皿の上に置くと、ソファーから降りて両膝と片肘をラグ上に着き、手を苺に向かって伸ばした。
「取れたぁ♪」
ちょっとだけホコリが付いた苺に向かって息を吹きかけた。
その時、僕のお尻に強烈な熱視線を感じて、僕は首だけでゆっくり後ろを振り返った。
「お前、パンツ穿いてなかったのな?」
えっ…?
「あっ…! こ、これはその…」
ガーターベルトなんてどう着けたらいいのか分かんなくて、結局パンツ穿くの諦めたの、すっかり忘れてた…。
「なあ、これも”プレゼント”ってことでいいんだよな?」
「な、何言ってんの?」
もしかして翔くん、変なスイッチ入っちゃった…?
翔くんがニヤリと笑って、ケーキの上に乗った苺を指で摘まんだ。