Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第7章 僕達の甘~い夜
白くて長い靴下を履いた足を内股にして、水色のネイルで飾った両手をほっぺの横で握って小首を傾げる。
僕お得意の決めポーズだ。
なのに翔くんたら…
「智、お前…」
そう言ったきり、口をポカーンと開けて僕を見ている。
あれ?
ダメだった?
何か言ってくれないと、不安になるじゃん…
「あ、あの…翔…くん…?」
「えっ…、あ、ああ、ごめん…。えっと…取り敢えず座って?」
翔くんが自分の隣をポンポンと叩く。
「う、うん…」
僕はスカートの裾をキュッと握って翔くんの隣りに腰を下ろした。
その間も翔くんの口は開いたままで、でもその目は僕をずっと追いかけていて…
もしかして翔くん…
あんまり僕が可愛いから、ビックリしちゃったとか?
もしそうなら僕…、ちょっと嬉しいかも♡
「あの…さ、食べさせてくれる?」
翔くんが僕に向かってフォークを差し出してくる。
その手がちょっとだけ震えてるように見えるのは、僕の気のせい?
「はい、ご主人様」
僕はフォークを受け取ると、僕お手製のケーキを一口分掬って、翔くんの開いたままの口へと運んだ。
「ご主人様、美味しい?」
漸く口を閉じて、モグモグを始めた翔くんを覗き込む。
「どお?」
「う、うま…い…! マジで美味いよ。ほら、智も…」
僕の手からフォークを奪い取り、ケーキを掬うと、それを僕の口に突っ込んだ。
もお…、翔くんの一口おっきすぎだから!