Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第7章 僕達の甘~い夜
僕は冷蔵庫に隠してあったケーキの箱を取り出すと、翔くんの前に置いた。
「俺に?」
「うん。開けてみて?」
翔くんが青いリボンを丁寧に解いていく。
その仕草に、なんだかドキドキしちゃう。
「何これ、凄いじゃん」
箱を開けた翔くんの顔が一気に綻ぶ。
そして徐に僕の首筋に手を伸ばすと、そのまま顔が引き寄せられて…
「智の手作り…だよな?」
「…うん」
「そっか、だからか…。さっきカレーの匂いに混じって、すげー甘い匂いしたの…」
そりゃそうだよね…
一日ケーキ屋さんの真似事してたんだもん。
匂いだって付いちゃうよね。
僕はケーキの上にロウソクを立てて、最後にチョコで作ったクマさんをチョコンと置いた。
「翔くん、おめでと」
「ありがとな、智」
翔くんが息をフッと吹きかけてロウソクの火を消した。
「あ、そう言えば…。これ、潤と和から、プレゼントだって」
潤から預かっていた袋を翔くんに差し出した。
でも…
嫌な予感しかしないのは、僕だけ?
だって、僕のお誕生日の時…
「なんだろ…」
翔くんが袋をカサカサと振る。
するとガサガサッと一瞬音がして…
「ぷっ…ぷぷぷっ…、アイツら…、ぷぷっ…」
袋の中を覗き込んだ翔くんがいきなり吹き出した。
「智、楽しい夜になりそうだな?」
はあ?
それってどういう意味?