Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第7章 僕達の甘~い夜
「そっか、残念だな…」
「ごめんね、パパさん」
だってね、翔くんて、あれでけっこう嫉妬深いんだ。
もし僕がずーっとパパさんや潤と一緒にいるってなったら、きっと会社辞めちゃうよ?
んで、ずーと僕の傍にいて、僕のこと監視するんだ。
そんなことになったら、僕困っちゃうもん。
「あ、箱、どれがいい?」
パパさんが作業台の上に、丁度ケーキが入るサイズの箱を幾つか並べる。
「んとねぇ、やっぱり赤かな」
翔くんは赤色が好きだから。
ランドセルにも、赤いステッチ入ってたし。
「決まりだね。じゃあ、せっかくのデコレーションが崩れないように、そーっとここに乗せて?」
僕はパパさんが用意してくれたアルミのお皿に、慎重に慎重にケーキを移動させると、箱の蓋を閉じた。
翔くんが喜んでくれますように…、って願いながら。
「パパさんありがとう! お仕事の邪魔しちゃってごめんね?」
「いやいや、構わないよ、他でもないサトくんの頼みだからね」
ふふ、僕和とお友達でよかったぁ♪
「おっ、ケーキ出来たのか?」
「うん、出来たよ♪」
「俺が味見してやろうか?」
「えっ、そ、それはダメ! 翔くんが一番なの!」
だって潤くんたら、味見って言いながら、全部ペロッと食べちゃいそうなんだもん。
それだけは絶対に避けなきゃ…