第6章 大切な人
こうして始まった
私とすばるとの関係も
1年が過ぎて…
「ねぇ…明日で付き合いだして一年だよ?
何かさ…特別なことしようよ(笑)?」
「え…?
何か特別な"あれ"がしたいって…(笑)?
それやったら明日じゃなくても
今からでもええよ(笑)?」
「出たよ…エロすばる(笑)
私が言ってるのはそっちじゃなくて…
何かこうイベント的なさ……」
そう小さな声でぼそぼそと言う私の頭に
すばるの手が触れて………
「分かってるよ(笑)
特別なイベントやろ?
ちゃんと考えてるから
楽しみにしといて………?」
そう言ったすばるの顔は
どこか寂しそうで
でもそんな顔をする理由は
抱きしめられた腕に隠されて
すぐに見えなくなってしまう…
こんなに近くにいるのに
なんだかすばるが
消えてしまいそうで…
私は私を抱きしめるすばるの体を
ぎゅっと力一杯抱きしめ返した………