第5章 守るべきものは……?
丸山side
俺の目の前で…
あんとすばるくんが
キスをしてる……?
目の前の光景が信じられなくて
ぎゅっと目をつぶり
"夢なら今すぐ覚めて…"
そう何度も何度も
必死に願ったのに
きつく閉じた瞼を
ゆっくりと開いても
そこにあるもの見えるものは
何一つ変わらない…
現実はあまりに残酷で
もう見ていられなくて
"分かったから…
もう見たくない…"
そう呟いて
俺は二人に背中を向けて
あんの部屋を出た……
この時俺が
あんの指に小さく光る
オレンジ色の光に気付いていれば
あんは今もまだ俺の胸の中で
手を伸ばせば触れられる距離で
笑ってくれてたんかな…………?