第5章 守るべきものは……?
すばるside
"二人で話したい"
そうあんに言われ
丸とあんを二人きりにしたあの日
"大丈夫"そう言って笑うあんの言葉を
俺は信じて
待つことにした……
でもいくら待っても
あんから俺に連絡をしてくることはなく
丸の様子もどこか少しおかしくて
訳のわからん状態に
ただ待つことにうんざりした俺は
結局待つんをやめて
がっつり動いてみることにした(笑)
でもその日
あんに会えることがただ嬉しくて
わくわくしながら
インターホンを鳴らした俺が見たんは
最初に会った時の
力強い目から
不安げにゆらゆらと揺れる
悲しい目に変わってしまった
あんの目で……
「お前…何やねんその顔………?
なんで連絡してこーへんの………?
甘えてええんやって…
言うたやんか………?」
そう…
訳がわからず呟いた俺に…
「だって…私が…悪いから……
かなさんも……丸山さんも……
みんな苦しんでるのに…
私だけ誰かに甘えるなんて
そんなこと…出来ない………」
そう言ってあんは
力なく笑った………