第3章 捨てられない感情

あんside

丸山さんとかなさんが帰って


私と渋谷さん

二人だけが残された部屋の中


結局…

どんなに丸山さんを好きでも

越えられない壁があるんだということに

嫌でも気付かされてしまう…


二人が手を繋いで出ていく姿を

ただ見ていることしかできない自分に…


自分のものなのに

コントロールすることも出来ない感情に…


私の目からはいつの間にか

涙が溢れてくる…


「お前…何泣いてんねん(汗)？」



「何で……ですかね(笑)？

勝手に出てきちゃうんですよね…

情緒不安定なんですかね…私(笑)」



「なぁ…お前…丸が好きなんか…？」




そんなまっすぐすぎる渋谷さんの言葉に

涙は余計に溢れてきて



「ちが…う………」


溢れる涙を拭いながら

必死にそう言った私を


いつの間にか隣に来ていた渋谷さんは

何も言わずにただ抱きしめた……