第1章 出会い……
コンビニを出てから
家に帰る帰り道
かなは"あん"という友達の話を
嬉しそうに喋りはじめる
「あんはね…私が昔バイトしてた居酒屋に
後から入ってきた後輩なんだ(笑)
一生懸命仕事する子で
仕事覚えるのもすごく早かったんだよ?
ただ真面目すぎて
お客さんとしょっちゅう揉めちゃって
店長によく怒られてたな(笑)
私はそんな真面目すぎるあんが可愛くて
仲良くなったんだよね…。
バイト辞めてからは
なかなか会えなかったから
今日は会えて嬉しかったな………。」
「ふーん…そうなんや…。
確かになんか目力半端なかったわ(笑)」
そう言って俺が笑うと
"そうでしょ(笑)?"なんてかなは
可笑しそうに笑う…
たった一度会っただけ…
それも目があったのなんて
ほんの一瞬やのに…
なぜかひどく引き付けられるあの目を
もう一度見たくて
「じゃあ今度そのかなお気に入りの
"あんちゃん"誘ってご飯にでも行こか?
俺がご馳走するしね?」
そう言ってかなの髪を撫でると
かなは嬉しそうに"うん"と頷いた……