第3章 捨てられない感情
あんside
あの日から1週間……
何事もなかったかのように
毎日を過ごし…
必死に丸山さんのことを考えないように
してきた……
会わなければ…
考えなければ…
あの手に触れさえしなければ…
忘れられる
そう思ってた………
仕事か休みだったその日
気晴らしに出た買い物の途中
偶然にもかなさんに会ってしまって…
"一緒してもいい………(笑)?"
そう言って何も知らず嬉しそうに
笑いかけてくるかなさんに
"はい…もちろん(笑)"
なんて笑いながらも
内心は罪悪感で押し潰されそうだった…
一緒にぶらぶらとお店を回りながらも
かなさんは当たり前のように
あの人の名前を口にする…
「こないだは大丈夫だった…?
あんが飲みすきて寝ちゃったから
隆平がおんぶして店を出たんだよ(笑)?
ちょっとあれはやきもちやいちゃったなぁ…」
そう言って下を向くかなさんに
「あの…それは…ほんとにごめんなさい…」
なんて焦って頭を下げると
かなさん勢いよく顔をあげて
「冗談だよあん(笑)
もう付き合って二年だもん…
それぐらいじゃあやきません(笑)」
そう言ってかなさんは可笑しそうに笑う……
そんな自信と余裕に溢れたかなさんの笑顔が
今の私には眩しすぎて
私はその眩しすぎる笑顔から
そっと目をそらした……