第2章 1 日 目 ( 木 村 良 平 )
その日の朝、目が覚めると良平さんの腕の中にいてまるで彼の抱き枕にされているようだった。
昨日のことを思い返せば、恐怖と羞恥で頭がグチャグチャになる。
あんなに怯えてたのにいつの間にか良平さんの虜になってしまっていた。
恥ずかしい 恥ずかしすぎる 。
良平「ん~、零もう起きたのぉ…?
今日は俺オフだからゆっくりしよぉ?」
寝起きで 、てかまだ半分寝てるけど
まあ寝起きの良平さんの色気とか甘えた声とか、
この人自覚あってやってるのかな…。
「ズルいなぁ…」
良平「ふふ、何がズルイの?」
起きてるじゃないですか、、
びっくりした…
「え、あ、いや、」
なんて言えばいいの。
あなたのことを考えてましたなんて言えないよ
「昨日…昨日のこと、思い出してた?」
ああもう、思い出さないように蓋してたのに…
顔に熱が集中していくのがわかる。
良平「昨夜の事もあったから俺のこと、ちょっとは意識してくれたでしょ?
今夜も相手したいけどこんだけ人数いたらそれも分かんないし、
俺のことが欲しくなったらいつでも言えよ?」
無理に求めてこない彼なりの優しさ。
仕事の時も彼はそうだった。
ああ本当にいい人なんだなって思うんだ。
良平「 零はもう起きんの?
俺まだ眠い…」
少し幼いところもあるけれど、ね?
「良平さんが起きるまでお付き合いしますよ。」
"たまにはこんな休日もいいかもしれない"