第1章 ス タ ー ト の 合 図
息が詰まったような感覚だった。
なんで?どうして?これも撮影?
違う。こんなに大勢の人はこのアニメに出ていない。
「かみ、やさん… これは、どうゆう、、?」
言葉がうまく出てこない。
神谷「 零ってほんとにズルいよね~?
俺らが今までさんざん口説いてきたことも本気にしてないんでしょ?
本気にしてもらわなきゃ困るんだよね、」
確かにそういうことは頻繁にあった。
スキンシップだと思ってた。
本気ってなにを?なにに?
小野「まだ分かんない?
俺らみーんな、零の事そういう目で見てんの。」
いつの間にか私の真後ろにいたらしい小野さん。
後ろからそっと抱きしめて耳元で囁く彼。
耳から首筋にかけて、ゾクゾクするような感覚。
「小野さ っん、、」
うまく言葉が出てくれない。
柿原「だから俺らも考えたの。
なかなかその気になってくれない零に分からせるために、
だから俺らと鬼ごっこしよ?
零の事をかけて。」
頬に手を添えて愛おしそうに見つめてくる柿原さんが妖艶に微笑んだ気がした。
"嫌な予感がする"