いい子悪い子、愛しい子 番外編 《ハイキュー!!》
第2章 変わるために
『じゃあ…及川さんは…お兄ちゃんにでもなりますか?』
「・・・プッ」
きっとあたしは真顔で言ったとおもう
また及川さんの無の顔が見れた。でも及川さんはすぐに笑った。しかも大声で
「アッハハ!!ナニソレ、お兄ちゃん!?あぁ~あ、この流れで行けば確実にクロ君の座を奪えると思ったのに」
ぷぅ…と頬を膨らませて及川さんはあたしが持っていたタオルを受け取った。及川さんが身体を拭く姿を見てから着替え用の服を持ってこようと脱衣所を出ようとした
「夜琉ちゃん」
その瞬間、及川さんがあたしを呼び止めた。
あたしはすぐに及川さんを見た。及川さんは、目の周りは赤いけど顔は穏やかな笑顔だった
「ありがとう。・・・・愛してる」
『あっ…』「私も愛してるよ♡」
あたしが答えようとした瞬間、かぶさるように男の裏声が聞こえた。しかもオネエを思わせるような口調で・・・
「えっ…」
「人の彼女に何不用意に愛の告白してんだ?ゴルァ」
『く…黒尾さん?』
「くっ…クロ君。いや、これは…違くて」
「何が違うか、俺にも教えてくれよ」
あたしを隠すように抱きしめる黒尾さんの後ろからまた別の声。
丁度帰ってきた岩泉さんだ。かれもまた、及川さんの「ありがとう…(ry」を聞いていたみたい・・・
「いや、岩ちゃ…クロ君!?」
「「こんの…クソ野郎!!!」」
「俺の娘に…」「俺の女に…」
「「手ぇ出してんじゃねえーーー!!!」」
「ギャーーーー!!!」
一瞬にして脱衣所は戦場と化した・・・。
2人のこぶしが及川さんの顔面を直撃したのは言うまでもなく・・・
まぁ、それでも及川さんは、ちゃんと変わろうとしている。自由になるために―――
余談で・・・
そのあと及川さんは、結局あたしと岩泉さんの家に入り浸っていることも付けたして言うまでもない・・・
*END*