第14章 Op.14 ペナルティ【R-18】
そして、冷たく見下ろしながら
蜜の絡まった指をレオナの口へ押し込んだ。
「んふっ……ん…っ」
指は喉の奥まで入れられ
レオナはわずかにえづく。
「…契約の邪魔になるような行為は契約違反とみなす」
「…んんっ……」
「今すぐルイと密会していたとメディアに垂れ流してもいいんだぞ。そうなればお前は2度と歌えないし、ルイの王位継承権ははく奪だ」
「……ん……んん…」
「それでもいいのか」
苦しそうな顔をしながらレオナは首を横に振る。
クロードは僅かに口角を上げると、指を引き抜いた。
涙を浮かべながらむせるレオナの顎を、クロードはすっと捉えた。
「ルイの物件に住むのは構わないが、ルイと会うのは禁止する。最も、お前はこれから半年は王宮と関わることはないと思え」
「……」
レオナは眉根を寄せながらクロードの顔を見つめた。
(クロード……)
レオナは何も応えることができない。
(クロード…どうしてそんな)
冷徹な言葉とは裏腹に
クロードの瞳は寂しげな色を宿していた。
(どうしてそんな目をしてるの…?)
レオナの瞳から流れ落ちる涙を見て
クロードは自嘲気味に笑った。
「ルイに惚れたのか」
「…わからない、よ」
「ルイは惚れてるんだろうな…俺から引き離そうと必死だ」
「……」
クロードはそっとレオナの涙を拭った。
「…安心しろ、ワールドツアーが終わって契約を果たせば後は好きにしていい」
「……クロード」
涙が止まらない。
「おい、泣くな……一生ルイと会うなとは言ってないだろ?」
(違うよ…違う)
「クロード、どうして…そんな顔を、するの」
レオナはクロードの頬に手を添える。
クロードがはっとなって瞳を揺らした。
「クロードは…私のこと契約相手としか…思ってないんだよね…?」
「……」
クロードは黙ってレオナを見つめていた。
「私が地位を築いてクロードのことを公表して欲しいだけなんだよね…?」
「……」
「気が向いた時に抱きたいだけなんだよね…?」
「……ああ、そうだ」
そう言ってクロードは
レオナの唇にキスを落としていった。