第13章 Op.13 新居【R-18】
あっという間にルイに組み敷かれ、見下ろされる。
「ル…ルイ」
「ごめん……我慢…できそうにない」
次の瞬間重ねられたルイの唇は
以前スタジオで重ねられた時とは
まるで別人のように
熱を帯びていた。
「……ん…」
少し身じろいだ瞬間にできた僅かな隙間から
ルイの舌が口内にねじ込まれる。
「……んんっ……ん」
強引ではあるけれど
優しく包むようにゆっくりと犯されていく。
甘いしびれが
徐々に体中に広がっていく。
「……んふぅ…」
解放された唇から
甘い吐息がもれていく。
「……レオナ…」
見上げる熱っぽい視線を受けて
ルイはそっと呼びかけた。
「…もう、クロードに抱かれるのはやめて欲しい」
「え……」
レオナは戸惑いながら瞳を揺らした。
「レオナの…力になりたい…から…」
「ル、ルイ…」
ルイはレオナの両頬をそっと手で包んだ。
「ルイ…私と一緒にいたら……」
王位継承者とスキャンダルになれば。
レオナはあっという間に信用を失墜させることになり
ルイ自身もタダでは済まなくなる。
世間を騒がせれば騒がせるほど
ルイの名誉に傷が付き
王位継承権はく奪にもつながりかねない。
レオナはそっと目を伏せる。
「…お互いの、ためにならない…」
「……レオナは、どうしたいの?」
ルイの問いが、胸の奥に深く刺さる。
「どう…って」
ルイが再びレオナの両腕を縫いとめる。
「今…この瞬間…君はどうしたい?」
「……」
それは、言えない。
言えるわけがない。
「今、この瞬間、君は俺のこと…どう思ってるの?」
レオナは何も言えずにいた。
ルイのことは好きだ。
でも、この「好き」がどういう感情なのか
自分で見えない。
立場やしがらみや
契約や状況や
いろんなことが自分の気持ちを曇らせる。
それはクロードに対してもそうだった。
自分の気持ちが見えない。
「…じゃあ、俺の気持ちを言ってもいい?」