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【100プリ】Wistarian Diva

第12章 Op.12 真夏の夜の調べ・2



舞台袖の奥から城の中へ入ってすぐの部屋が
控室になっている。

開けっ放しの扉からレオナは声をかける。

「クロード?」

「…ああ、レオナか」

「どうしたの?直すところなんてないと思うけど」

するとクロードは
部屋に入ってきたレオナを扉のすぐ横の壁に
強引にぬい止めた。

「……えっ」

驚き顔を上げ、クロードと目を合わせる。

クロードは感情の読めない顔で見下ろしている。

「……ク、ロード?………んっ」

クロードは何も言わず
強引にレオナの唇を塞いだ。

「……ん………んん」

突然のことでレオナは身をよじって抵抗するが、両肩を掴まれ動くことができない。

それどころか角度を変えながら
口内をどんどん舌で犯されていく。

「…ん………」

わけが分からないままクロードの舌を受け入れていると
やがて唇が解放された。


「……な…、んで…」

乱れた呼吸でレオナは尋ねた。


クロードは表情を変えずに
レオナの顎を捉える。



「次で最後だな」

「…え、うん…」

つやっぽく濡れたレオナの唇が僅かに光る。


「…聴いてるから。楽しめ」


クロードはふっと笑うと
レオナの肩を離し解放した。


「う、うん…いってきます……」



クロードの行動の真意が分からないまま
レオナは部屋を出て舞台の方へと向かった。






「おい、おせーぞ。さっさと来い」

せっかちなカインは苛立つように言うと
さっさと舞台へ行ってしまった。

カインに続いてジルも舞台へ向かう。


「ま、待って…」


二人に続こうと、袖に立つシドの前にさしかかると
シドはすっと目を細め口角を上げた。


「……クロードに、直してもらったのか」

「えっ…?」


シドは含みを持たせるように笑んでいる。

「…うん、少し、メイクを…」

「メイク、ね…」


ふっと笑うと、
シドはそのまま舞台へと行ってしまった。



(よくわかんないけど…歌うしかない)


レオナは光溢れる舞台へ向かった。





Last Program

Vocal:レオナ
Piano:ジル=クリストフ
Bass:シド
Drum:カイン=ロッシュ

Jazz standard「Night and Day」

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