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【100プリ】Wistarian Diva

第11章 Op.11 真夏の夜の調べ・1



王宮メンバーにひけをとらないレオナへの歓声は
会場全体を包み込んだ。


やがてそれがおさまり
ルイの優しいピアノの旋律がこぼれ落ちる。


ルイが視線を投げてくる。
レオナはそれを微笑みながら受け取り


空全体に響かせるように
レオナは声を響かせた。


「Joyful Joyful lord...we adore thee...」


会場からはため息のような感嘆の声が上がる。

(神様…ありがとう…今日ここまで私を導いてくれて…ありがとう…)


讃美歌の歌詞の通り
神に祈りを込めるように

丁寧に響かせていく。



観客の中には
涙を流しながら見つめる者もいた。



「Oh...Oh fill us with the light of day...」



曲調が変わり
アップテンポになると

孤児院の子どもたちの手拍子が始まり

会場全体が手拍子と共に盛り上がり始めた。


「Joyful Joyful Lord we adore thee」

子どもたちのコーラスに
レオナのハーモニーが重なる。

ルイのピアノが跳ねて

子どもたちが笑顔で歌い出す。


レオナのシャウトが時折入り


会場が一気に熱を帯びる。


「Fill us with the light of day...light of day!!」


子どもたちとそろって歌いあげると



スタンディングオベーションが
会場全体を包んだ。




「やった!」

レオナは子どもたちとハイタッチをする。

「おねえちゃんやったー!」

子どもたちに囲まれるレオナを
ルイがピアノの位置から微笑みながら見つめていた。

レオナは会場に大きく手を振る。


「レオナー!!」
「レオナー!!」

そんな自分に視線を向けてくれていたルイを振り返る。


ルイは笑みながらうなづく。

拍手の渦の中で

レオナはルイの前に行き手を差し出した。


ルイはその手を取り握手をすると

「あっ…」

そのまま手を引き、レオナを抱きとめた。



会場からふたたび歓声が上がる。


鳴りやまない拍手の中


「…よかったね」


ルイがレオナの耳元でそう囁いた。


レオナは黙ってうなづいた。
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