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【100プリ】Wistarian Diva

第10章 Op.10 スタジオリハ



Louis side----


「…じゃあ俺の方から事務所に出向くよ」

ルイはそう告げて電話を切る。



切ったと同時にルイの部屋の扉がノックされた。

「はい」

「ルイ、車用意したぞ」

入ってきたのはアランだった。


「ありがとう」

「…それにしても、孤児院の視察はこないだ行ったばかりじゃなかったか?」

ルイはジャケットを羽織ってアランの方へやってくる。


「…音楽祭の出演の件で、交渉しに」

「そうか」


アランの前を通り過ぎ先を行くルイに

「なんか…珍しいな。アイツが嬉しそうにしてるの」

アランはひとり言のように呟いた。






ルイがいつも視察に行く孤児院は
今回の『夏の音楽祭』に参加する予定だった。

院長がいつものように迎え
子どもたちも駆け寄ってくる。

「ルイ様ー!こないだも来たのにまたー?」

そうは言っても子どもたちは嬉しそうだ。

「…うん、そうだよ」

ルイは駆け寄ってくる子どもたちの頭を撫でて優しく答えた。



「…ルイ、今日はどうしたのです?」

院長が尋ねた。

「夏の音楽祭に合唱で参加すると伺いました」
「ええ。そうですよ」

「よければ…一緒に演奏できませんか?」
「えっ?よいのですか?」

院長は少し恐縮したような素振りを見せる。

「ええ…レオナとも一緒に演奏する予定なので、もしよければ一緒に同じ曲を歌えたら、と」

「それはそれは…子どもたちも喜ぶでしょう」

院長は顔をほころばせる。

「それで…曲なのですが……」


ルイは楽譜を渡し、院長と話しながら
子どもたちの遊ぶ姿を遠目に見つめた。


少し離れたところで
一緒に来てくれたアランが子どもたちに捕まっている。


「へー!ボディガードってつよいのー?」
「当たり前だ。強いぞ」
「わーいわーいしょうぶしてー!」

アランは子どもたちを抱き抱えたり追いかけたりしている。


「この曲はみんなも好きな曲ですから、ぜひお願いします」

院長の返事を聞いて、ルイは少し口角を上げてうなづいた。


「ではこれで話を進めていきますね」


「ええ。素敵な演奏会になることを願っています」




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