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【100プリ】Wistarian Diva

第23章 Op.23 宣言式



「私とカインは喧嘩ばっかり…うまくいく自信なくなるよ」

「プリンセスはちゃんと自分の気持ちをさらけ出しているから、カインも安心してぶつかれるんだね」


「え?そうかな…」

「そうだよ」



プリンセスはレオナの顔を見返す。

「レオナさんは、ルイとぶつかることってあるの?」

「…あまりないかな」

「ほらやっぱり…」

「でもルイはこう、と決めたら絶対に変えない。ちょっと頑固かな」

「そうなんだ…でもちょっと分かるかも」


二人は顔を見合わせて笑う。



「カインは言い方がね。瞬間湯沸かし器だもん…」

「うん、それも分かる。でも…」

レオナは顔を上げて、2階の廊下に面した窓を見上げる。



「すごくまっすぐで優しいよね」

「まぁ…た、単純だから?」

「ほら…プリンセス、何かお話がある人があそこにいるみたい」

レオナが指さす方を見上げると
その窓から覗いていたカインが気付いてさっと隠れる。

二人は顔を見合わせてふっと笑った。


「あんな風にこそこそ見てるなら最初から言い方考えればいいのにね!」

「…でもそれがカインのいいところ」

「……レオナさん、ありがとう。私、行ってくるね」


プリンセスは気持ちがやっとおさまったのか
城の中へと入っていった。


「ふぁ……なんか、眠いな…」

レオナはあくびを一つする。



「レオナか」

そこへレオナの名を呼ぶ者がいた。


「あ」

城内から声を掛けてきた主は
振り返るレオナに手をすっと上げた。


「クロード」

「久しぶりだな…元気そうだ」

「うん」


レオナはクロードの元へ歩み寄る。

「明日…歌うんだってな」

レオナは少し顔をこわばらせてうなづいた。
クロードは僅かに見せた緊張に気付くと頭をぽん、と撫でた。

「大丈夫だ。できる」

「うん」


「…お前の背中を押せる衣装、用意したから合わせに来てくれ。ルイも呼んでる」


「わかった」

クロードに促され、レオナはクロードと共に衣装室へ向かった。



夜が更けてゆき


いよいよ明日は

宣言式と、婚約式だった。




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