• テキストサイズ

【100プリ】Wistarian Diva

第23章 Op.23 宣言式



ウィスタリアの夏。


また再び城下がにぎわい活気が出てくる季節だ。


特に今年の夏は特別だ。

現国王陛下による「次期国王宣言式」
そして、プリンセス・メイカとの「婚約式」


婚約式の約一年後に婚姻式を執り行い
それをもって次期国王は正式に「国王」となる。


つまり
カインがウィスタリアの国王になるのは来年だ。








婚約式を明日に控えた夏の暑い夜。

城内にプリンセスの声が響き渡る。


「んもーーーーぉ頭にきた!!!明日出ないからね!!!」


「上等だバーカお前なんか最初っからやり直せ!!!」


カインの怒号も響き渡る。




「……またですか」

響き渡る声を聞いて、ジル廊下でため息をつく。

「今日で5日連続ですね…」

ユーリもため息をつく。

「こんなので本当に明日大丈夫なの?」

レオは眉根を寄せて呟いた。


「あれー?明日だよね?宣言式と婚約式ー」

久々にのんきな声が聞こえる。

「あ!ノア様!!」

「ただいまー」

海外留学から一時帰国したノアが
あいかわらずのんびりした出で立ちで現れる。


「なに、まだ喧嘩してるの」
「はい、ここ最近特にひどいんです」

するとプリンセスが廊下の角を曲がり
皆の集まる廊下のところへやってきた。


「あ!ノア!!!」

「メイカ久しぶりー。なに、カインと喧嘩してるの??」

「ちょっと聞いてよノア!カインったらね!!!」


話を聞いてみると
前日や前々日とほぼ変わらないくだらない内容…
いわば「痴話喧嘩」というやつだった。


「メイカ、それってさーなんていうか知ってる?」
「え?何?」
ノアは柔らかく笑う。

「そーいうの、ラブラブっていうんだよー」

「………はぁ?!」

プリンセスは理解不能、といった表情で、その場を去ってしまった。





怒っているプリンセスは中庭にさしかかると
噴水のところに腰掛けている人物がいることに気付いた。


「あれ?」


「あ、プリンセス」


そこに掛けていたのはレオナだった。

「レオナさん!」

プリンセスは嬉しそうに駆け寄る。



「どうしたの、プリンセス?」

プリンセスはレオナの隣に掛ける。

「いいな、レオナさんは…ルイと仲良しだよね」


レオナの薬指には、光る指輪があった。

/ 153ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp