第18章 Op.18 Happy New Year
「…うん!そうだね」
「お待たせしました……って、これどうしたんですか!」
ケイは置かれたシャンパンを見て驚く。
「土産だって」
「これ、すごい高級品ですよね?!」
「えっそうなの?」
レオナも食いついてラベルを眺める。
「おいおい…そこに食いつくな」
クロードは苦笑した。
「何でもいいだろ…来年は飛躍の年だ、景気づけに祝おう」
クロードはシャンパンを開けて
グラスに注いでいった。
気付けば時計はあと5分で新年を迎える、といったところを指している。
「レオナにとっては…人生が激変した年だったな」
クロードの言葉に、始まりの日のことが思い出される。
(あれから…いろんなことがあったな)
数えきれないくらいの
出会いと、愛と、縁のつながり合いと……
「……あのボサボサのゲジゲジ眉毛がねぇ…」
感傷に浸っているところを、クロードが意地悪に笑った。
「ちょっと…クロード!」
「今年のMVPはお前じゃなくて俺だ」
その言葉にはなにも反論できない。
「僕も、レオナさんのマネージャーに抜擢されて沢山学びと成長の機会をもらいました!お二人にはほんとに感謝しかないです!」
「ううん、私、ケイがいてくれたからここまでできたの…本当にありがとね」
改めて頭を下げるレオナに、ケイは恐縮したように慌てた。
「いやいや!僕まだまだですから…来年も…よろしくお願いします!」
「…ほら、そろそろだぞ…」
時計の針が、最後のカウントダウンを始める。
6,5,4,3,2,1.....
その瞬間
王宮の12時の鐘が響き渡った。
「ハッピーニューイヤー!!!」
三人はグラスを掲げ乾杯をした。
外からも人々の歓声と賑わう声が聞こえる。
「おめでとう!」
「おめでとうー!」
「……うまっ!これうまいっす!!!」
「当たり前だ、うまい酒しか俺は買わない」
三人は笑いながら
ほんのひと時の談笑を楽しんでいた。