第6章 一発の銃弾と愛らしさ。
近所の広場とやらはたしかこの前撮影できた場所。
夜と昼間ではずいぶんイメージが違うもんだ。
サッカーのゴールに見たてた四角い線。
ゴールの位置は決まっているがフィールドの大きさはこの広場ぜんぶとか、
・・なんてハードな子供の遊び。
もちろんオレは不参加なのでずっとベンチ。
そのベンチに少しタイム、とやってきたのはなんと哀ちゃん。
「どうしたの?」
「髪がボタンにからまっただけ。」
なるほど。
今日の服は後ろに飾りボタンのついたブラウス、
その一番上のボタンに襟足の髪が巻き込まれるようにひっかかっている。
「それは自分でとるの難しいと思うけど。」
貸してみなよ。
って言えば素直に後ろを向いてくれるのは少しは仲良くなれたって有頂天になってもいいってこと?
「ん。取れたよ。」
「ありがと。あんまりニヤニヤしないでちょうだい。」
・・・まさしく、にゃんこのごとしツンデレ。
なんかごめん。
3時を過ぎたあたりで食いしん坊が腹減ったとうるさ・・やかましい・・・
連呼するのでおやつの時間ということに。
近所のケーキ屋でカロリー控えめのキャロットケーキがあるから食べに行こう。
もちろん、ご馳走してくれるのよね?
決定事項だったことにはあんまり触れない方向で。
そのケーキは前からチェックをいれていたらしい。
味見をして、できるだけ再現したものを作りたいんだと。
・・博士が結婚できなくなりそう・・と本気で心配になってくる。