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【名探偵コナン】【まじっく快斗】本物の魔法使い。

第1章 はじめましての挨拶を。



いつもは気にもとめない言葉が今回だけは気になった。

あと3時間ほどで日付けが変わる。
ぎりぎりまで晴れるのを待ってみたけれど、
相変わらずの曇り空。

「さーてと。
行きますか。」

今回、小さな探偵くんは思うとおりには邪魔しにくることができないらしい。
・・愛しの彼女が風邪じゃあな。

最初の角を右、次は左。
右、右、左。
と脳内の地図をたよりに通風孔をたどってゆく。

直接邪魔しにきはしなかったが助言はきっちりしたらしく、動きにくいことこの上ない配置っぷり。
しまいには通風孔を使えないのだから直線の道を行くしかない。
まっすぐ進めば展示室。

大きな天窓にステンドグラスをイメージした館長ご自慢の部屋だ。
その真ん中、それこそ月明かりを浴びながら展示されるダイアモンド。
今夜が曇天なのが残念ですよ。

「っと。」
あとはこのまっすぐな道にいるはずの警部たちをなんとかするだけ・・
おかしい。
警部たちの声がしない。
催眠ガスに対応するためガスマスクを装着しているはず。
それだけだ。
この道には俺ですら隠れる場所はないのだから。
そっと。そっとのぞいてみる。
警部たちは眠っていた。
ガスマスクを装着したまま、ぐっすりと眠っているらしい。
いや?気絶させらているのか?
こんなに俺がすぐ近くにいるのに。
寝たふりをして捕まえるわけでもない。

そのまま、まっすぐ歩く。

だれかが、いた。

展示室の真ん中、ダイアモンドのケースの横に。
カツン。
と自分の靴音。

ケースにもたれかかっているその人物は黒いコート、ロングコートを
まるでマントのようにたなびかせて、

「こんばんは。良い夜だね。」

ステンドグラスから晴れ間の月明かりが差し込んだ。
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