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【名探偵コナン】【まじっく快斗】本物の魔法使い。

第1章 はじめましての挨拶を。



『今夜、
世界最大のピンクダイヤ・ロゼを
いただきに参上します。

月下の淡い光のもとでお会いしましょう。

怪盗キッド』

そんな予告状がロゼワインと一緒にとある美術館に届いた。
持ち主は不明のそのピンクダイヤは誰が寄贈したのかあまりに昔のことすぎて
館長も知らないらしい。

世間のニュースはその話題で持ちきり。
こちらの子供はそんなキッドの出かたを目下思案中。
「こら。江戸川くん、授業中ですよ。」
難しい顔をして授業を聞いていないなとそれでもほほえましい気分になるのがこのクラスの担任だ。
自分も江戸川乱歩の大ファン、それにニュースだってちゃんと見ている
・・気になるのはわかるが
「・・・ゴメンなさい。」
うんうん。よろしい。
今は授業中なんだからおうちに帰ってからにしてね、少年探偵団くん。

「今夜ねぇ。」
自分が出した予告状なのだがちょっと性急すぎただろうか。
今夜の天気は曇りだし、
・・晴れていないとそれはそれで厄介だ。
「かーいと!」
「おわ!?」
椅子を斜めに傾けて座っている自分をなんで驚かせるか、この幼じみは。
「きーてなかったでしょ、いまの。」
「はいはい、ちゃんと聞いてました〜。」
「まったく!!快斗もお父さんも!
だからね!!昨日予告状と一緒に届いたワイン!!調べても普通のワインで
なんの手がかりもないからって部下の人たちと一緒に飲んじゃった、なんていうのよ!?
信じられない!あぶないじゃない!キッドの罠だったらどうするのよ!!」
・・・いや、多分飲んでないと思うぞそれ。さすがに。
まぁ、調べてもろくに情報がないってのは本当だけど。
じいちゃんがスーパーで買ったやつだからな。
「あら。ワインは飲むのが通常の使い道よ、中森さん。」
げ。
「紅子ちゃん!」
「まぁ、供物として捧げることもあるけれど。
本来は飲みもの。・・・もしくは祝杯なるかもしれないわね、今度こそ。」
きたよ、紅子の手を引きなさい予報。
「・・・曇天の空、輝きを見せる時罪人はさらなる罪をその目に映さん。」
はーぁ。
「だから、なんでそのお告げとやらを俺に聞かせるんだよ。
今度はだれのお告げですか〜?」
「お告げではなくて占いの結果よ。」
違うのかよ。
罪人ねぇ・・・
さらなる罪ってなんだろう?

いつもは気にもとめない言葉が今回だけは気になった。


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